« 三笠フーズ問題は早急な対応を行うべき | トップページ | よい年をお迎え下さい »

2008年9月 9日

三笠フーズ被害蔵にご支援を

ここ数日、三笠フーズの問題が話題となっていて、本格焼酎をやや忌避されている向きもあるかもしれません。ここまでの事実経緯については、このBLOGの三笠フーズ問題は早急な対応を行うべきという記事でまとめていますのでご確認下さい。

今回、三笠フーズとその関連企業から問題の米を本格焼酎の蔵元で市場流通用に購入していた6社と研究用に購入していた1社、そして全く報道されていなかった清酒業界から発表した1社は全て自主的に発表しました。いまだに他の業界が全く公表する気配を見せない中で、先駆けての公表であり、食の安全を守っていくという酒類業界の強い決意の表れだといって良いと思います。

その勇気ある8社は、西酒造(薩摩宝山のみ)、喜界島酒造(出荷無し)、光酒造(現在出荷を止めて回収中)、抜群酒造(全麹抜群のみ)、六調子酒造(出荷無し)、鹿児島酒造(研究のみで商品化せず)、美少年酒造(美少年佳撰・美少女・木原山の鬼ころしなど7銘柄)、西平本家(八千代・島一番・氣の白麹)です。

これらの蔵はいずれも被害者です。自主回収や原酒の破棄で多額の損害が出ます。さらに損害賠償請求をしようにも三笠フーズは賠償出来る原資がほとんど無いでしょうし、農林水産省は責任逃れをして裁判で徹底的に争うことでしょう。規模は様々ですが、どの蔵もぎりぎりの経営をしています。ここで消費者がこれらの蔵の酒を回避してしまうと被害者でありながら倒産しかねないという危機的な状況です。
他の企業が責任を回避し、自主的な公表をしない中で自らメーカーとしての責任を果たすべく自主公表に踏み切った7社に対して、いまこそ消費者の支援が必要なときです。我々が出来る支援はこうした蔵の焼酎を購入することです。問題の焼酎は自主的に回収されており、現在市場に出回っているものはどれも安全です。今後、「早く正確な情報を発表することが最も自社の利益につながる」という良い事例とするためにも是非とも被害に遭ってしまった蔵に対して、皆様のご支援をお願い致します。

-----
2008年9月10日11:00追記:
各社の報道を見ていますと「なぜ外国産米を使用した」という報道が多く、「値段が安いからだろう」という結論にしています。これは正解ではありません。
本格焼酎や泡盛の場合、日本人が通常食べているジャポニカ米(短粒種)では目指す酒質が実現出来ず、「タイ米」(長粒種)に代表されるインディカ米を使用するケースが多く存在します。日本人の感覚では米といえばジャポニカ米ですが、これは極めて例外で、世界ではインディカ米が主流です。そして、この例外現象のためにインディカ米を日本国内で生産している農家は皆無に等しい状況です。全くのゼロではありませんが、本格焼酎の原材料として使用するには量が全く足りません。つまり、皆さんが呑んでいる美味しい焼酎を実現するには海外からの輸入に頼らざるを得ないのが現状なのです。けして安いから購入するという事情だけではないのです。
さらに今回の場合は
三笠フーズ、事故米混入「国産」と偽装
という報道があるように国産米を求めている蔵にまで「政府流通の国産米」として政府流通の国産米と同価格で販売していたという状況もあります。また、西平本家に至っては
汚染米、西平本家(奄美)に流入 6200本自主回収へ
鹿児島県酒造組合経由で購入するより約1割高い値段で、業者も質の良い米ということを謳い文句にして販売していたようです。これらの状況を踏まえると一概に「安いから」ではないという点に留意する必要があるのではないでしょうか。
また、報道ではあまり述べられていませんが、米は今でも事実上政府の統制下にあります。かつて存在した食糧管理法ほどではありませんが、米の流通は政府の関与する部分がかなり大きいのが現実です。特に輸入米については政府が輸入して市場に流す米がほとんどであり、海外からの直接購入はあまり見られません。そして輸入米は国内産米の保護のため、高い関税が掛けられています。報道にあるほど安いとはいえないのが実状です。
輸入米は政府の関与がありますから、政府が大丈夫だと認めたもののみが市場に流通しているので安心して使用出来るというのが酒造関係者の認識でした。しかし、今回はその信用を使って不正な事故米を流したというのが真相です。購入価格の数倍の値段を付け、政府から正規に流れてくる米とほぼ同じ値段を付けたうえで、漁の確保を保証してもらえれば販売されれば、酒造関係者は間違いなく購入します。ある酒造組合が「酒造組合から購入させるように徹底する」と話しているようですが、蔵元が商社から購入するのは酒造組合では安定した量が確保出来ない、という側面があることを忘れてはいけないと思います。酒造組合では政府から直接購入した米を希望する組合員全部に渡るようにしています。つまり規模が大きいところは組合の米だけではまかないきれないのです。
ここまで本格焼酎と米について解説してみました。

-----
2008年9月11日11:00追記:

鹿児島県での厳しい検査の結果、鹿児島県の3蔵の商品からはメタミドホスとアセタミプリドは検出されませんでした。

汚染米転売 焼酎から農薬検出せず/鹿県検査 : 南日本新聞-鹿児島県内ニュース

いずれの農薬も基準値は0.01ppmとなっていますが、精密な検査によって0.0001ppmの単位での検証を行っても検出されなかったそうです。カビ毒についても検証を行い、安全性が確認されました。健康被害はありませんので、万が一呑まれていても大丈夫です。

|

« 三笠フーズ問題は早急な対応を行うべき | トップページ | よい年をお迎え下さい »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3874/42423963

この記事へのトラックバック一覧です: 三笠フーズ被害蔵にご支援を:

» [NEWS][drink]焼酎回収 [Killing Time]
昨日、最近、アルコール、焼酎を飲まなくなったと書いたら「事故米」問題が焼酎にも及んでしまった。 中国新聞ニュース 農林水産省は八日、三笠フーズ(大阪市)による汚染米転売問題で、同社の販売先の焼酎メーカーは、福岡県の光酒造、熊本県の抜群酒造、六調子酒造、鹿児... [続きを読む]

受信: 2008年9月 9日 10:55

« 三笠フーズ問題は早急な対応を行うべき | トップページ | よい年をお迎え下さい »